フラについて

「フラダンス」としばしば呼ばれますが、正確にはフラ。フラにはハワイ語で「踊り」のの意味で、フラダンスと言ってしまうと「踊りの踊り」と訳されてしまいます。フラは文字をもたなかった古代ハワイアンたちが神話や伝説を伝承するために生み出したとされ、独特の手の動きが様々な意味を表していることはご存じの方もいらっしゃることでしょう。また、神々への祈りやその時々の出来事を踊りとして記録していくという意味もあったとされています。

そんなフラには「古典フラ」と呼ばれるものと、「現代フラ」と呼ばれるものの2種類があることをご存じでしょうか。前者はハワイ語で「カヒコ」と呼ばれ、神様への捧げものとしての宗教色の濃いものです。優雅というよりは力強さがあり、フラが本来は男性のものであったことをまざまざと感じさせる踊りです。今では女性も踊る古典フラ（カヒコ）ですが、そういった由来もあってのことか、ダンサーたちが化粧をしたり、アクセサリーを身に着けたりすることはありません。
一方の「現代フラ」はハワイ語で「アウアナ」と呼ばれ、これには「新しいスタイルの」という意味があります。多くの人がフラ（ダンス）としてイメージするのはこちらのアウアナで、身体を優美に動かす踊りです。踊り手は鮮やかな衣装やメイクアップを施し、自然への感謝や男女の愛について表現します。
そんなフラの衣装の代表的なものは、パウ・スカートと呼ばれる色とりどりのハワイアン柄の布で作られたゆったりしたスカート。上半身にはタンクトップやTシャツ、チューブトップを着るのが一般的です。それ以外にはパレオやムームを身に着ける場合もあります。

フラを習うにはハラウと呼ばれるフラのグループに参加するのが最も一般的。各ハラウにはクムフラ（クム）と呼ばれる指導者がいますが、このクムになるには少なくとも10年以上のフラ歴が必要といわれ、さらに別のクムフラ（クム）から承認を受ける必要があります。

ウクレレについて

最初に紹介したフラには音楽がつきものですが、その伴奏楽器としてしばしば用いられるもののひとつがウクレレです。ただし、このウクレレは古典フラ（カヒコ）ではなく、現代フラ（アウアナ）にしか使われません。

ウクレレは1800年代後半にポルトガル移民がハワイに持ち込んだ弦楽器「ブラギーニャ」が原型であるといわれています。ハワイ語で「跳び跳ねるノミ」というユニークな名前を持つ楽器で、世界最古のギターメーカーと言われるマーティン社による高品質ウクレレの製造販売とハワイアンミュージックのブームとともに徐々に知名度を上げて行きました。
ギターより小ぶりで演奏も簡単であり、数千円程度から購入出来るともあって老若男女に愛される楽器となっています。

そんなウクレレをハワイで気軽に習える場所といったらまずはウクレレショップでしょう。ワイキキエリアでも幾つか定評のあるスクール・イン・ショップがありますので色々と調べてみて下さい。ここからさらに人の繋がりが出来て、個人レッスンをしてくれる師が見つかることもあるでしょう。

さて、いかがでしたでしょうか。フラはグループで踊りますし、ウクレレも集団で演奏を行います。またパフォーマンスをする側と見る側の距離の近さもこれらふたつの特徴です。ダンスも音楽も言葉を超えた何かを使え合うもの。異国の地で人と簡単に仲良くなるための近道がフラやフクレレであるということも出来そうです。